予防獣医療とは

予防獣医療のイメージ画像

当院では、飼い主様にとってかけがえのない存在でもある愛犬や愛猫が1日でも長く元気でいられるよう予防医療などにも注力しています。人間の平均寿命が年々伸びていく中で、犬や猫といった動物(ペット)たちも平均寿命が伸びてきています。この理由としては、医療が向上したという面もありますが、多くの飼い主様が積極的に予防接種(ワクチン接種)を受けることで、あらかじめ病気が防げているということもあるかと思います。
犬の狂犬病ワクチンの接種は法律で年1回の接種が義務付けられていますが、それ以外のワクチン接種(混合ワクチン など)は任意ですので、接種の有無は飼い主様の判断となるわけですが、ペット同伴の宿泊施設、トリミング、ペットホテルやドッグランなどでは使用の条件として混合ワクチンの接種を上げているところもありますので、可能であれば接種が望まれます。また、ワクチン効果判定としての抗体価検査も行っていますので、接種判断の目安として利用していただく事も良い方法だと思います。

そのほか蚊が媒介し発症するフィラリアや、人体に有害な伝染病(SFTS等)を媒介するノミ・マダニといった外部、内部寄生虫から身を守りための予防対策をはじめ不妊手術(去勢手術)にしても単なる繁殖抑制の手段ではなく、多くの生殖器関連疾患を未然に防ぐという重要な目的があります。予防は治療に勝り、経済的に見ても何倍もの費用対効果があることが明らかです。
健康診断は3つのコースをご用意しています。
健康診断は事前予約も賜っています。午前中10時までに来院。看護師よりお預かりし、午後の診療時間帯に獣医師より説明とお迎えとなります。ご希望の方は病院受付までご連絡ください。(受付アプリからは予約ができません)

プランA

元気な子の健康管理に年1回お勧めしています。

目安
1歳~
内容
血液検査(外注)、糞便検査、尿検査。
料金
犬 13,970円(税込) 猫 12,870円(税込)
*上記以外に再診料700円(初診の方は初診料1500円)が別途かかります。
*血液検査は外注ですので結果は後日電話報告となります。

プランB

3歳以上の健康的な子にお勧めする標準的なプランです。

目安
3歳~
内容
プランAに加えて、胸部レントゲン検査、腹部エコー検査
料金
犬 26,070円(税込) 猫 24,970円(税込)
*上記以外に再診料700円(初診の方は初診料1500円)が別途かかります。
*血液検査は外注ですので結果は後日電話報告となります。

プランC

シニア期において心臓への配慮をしたプランです。雑音がある子の定期健診にもご利用ください。
*Cプランは事前予約が必要です。

目安
5歳~
内容
Bプランに心臓エコー検査を加えた内容です。
料金
犬 38,170円(税込) 猫 37,070円(税込)
*上記以外に再診料700円(初診の方は初診料1500円)が別途かかります。
*血液検査は外注ですので結果は後日電話報告となります。

当院で行っている犬用と猫用のそれぞれのワクチン

犬用

  • 狂犬病(法律で年1回の接種が義務づけられているワクチン)
  • 混合ワクチン(6種、8種、10種など)は下記の疾患が含まれています
  • ジステンパー
  • 犬コロナウイルス感染症
  • レプトスピラ症
  • パルボウイルス感染症
  • 犬パラインフルエンザ
  • 犬伝染性肝炎
  • 犬アデノウイルス2型感染症
  • 伝染性肝炎

猫用

  • 猫汎白血球減少症
  • 猫ウイルス性鼻気管炎
  • 猫カリシウイルス感染症
  • 猫白血球ウイルス感染症(Felv)

ノミ・マダニ予防について

犬や猫にとって、ノミやマダニは吸血による直接的な被害もにのみならず、アレルギー性皮膚炎や恐ろしい伝染病(バベシア、ヘモバルトネラ、SFTSなど)を媒介する原因となるます。特に近年公衆衛生上の危機となっているSFTS(重症熱性血小板減少症)は人での新興感染症であり、高齢者は死亡率も高く非常に危険です。外部寄生虫は動物の体表に潜伏し容易に屋内へ侵入してしまします。動物の寄生虫対策は家族を病気から守る事にもなりますので動物用医薬品を使用した万全の対策をお勧めしています。

駆除薬は内服、外用など様々な種類がありますが、近年はフィラリア予防もできるオールインワンのタイプが人気です。どのタイプの駆除薬が適当であるのか診察時に獣医師のアドバイスを聞いたうえで愛犬・愛猫に適した予防対策を行うようにしてください。

ノミは一度体毛の中に入り込んでしまうとクシ等での除去は困難です。またマダニは血を吸う際にその口が皮膚に食い込むので、強引に引き離すことでマダニの口の部分だけが残ってしまい、そこから化膿することもあります。またノミやダニのメスの成虫を潰すと卵が飛び散ることもあるので、これらの行為は厳禁です。

フィラリア予防

フィラリア症とは、フィラリアと呼ばれる寄生虫が蚊を介することで犬の心臓や肺動脈に寄生し、それによって起こる様々な症状を言います。都心部では感染犬は激減しましたが、自然豊かな山梨においては未だチラホラと陽性結果が出ています。
感染すると食欲や元気がない、咳、息苦しいなどの症状が現れ、さらに進行すると腹部が膨らむ、尿が赤いといった症状も出るようになります。成虫になると30cm以上に成長するとされ、寄生によって血流が悪化し、様々な症状がみられるようになって、放置が続くと死に至ることもあります。
また猫にも感染し、この場合は寄生する虫(フィラリア)の数が少ないこともあって診断に苦慮します。主に肺や循環が障害されるようになって、呼吸困難、咳、食欲不振などのハッキリしない症状がみられ危険な状態に陥ります。

フィラリア症予防薬は、種類としては経口薬もあれば、滴下薬を身体に浸透させるものなどあります。犬の場合は経口薬、猫の場合は滴下薬が好まれています。投薬方法につきましては、獣医師の指示に従って行うようにします。正しい予防スケジュールを守らないとフィラリアの感染を防ぐことはできません。用指示薬でもある為必ず獣医師のアドバイスを受け、正確な知識をもって予防に取り組んでください。インターネット等で購入した薬に関するアドバイスは安全上お断りしています。

SFTS予防

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)はマダニを介して人に感染する経路が中心ですが、犬や猫がSFTSウイルスに感染し、それらの動物に嚙まれたり、直接触れることでSFTSウイルスに感染し、発症した人の例も確認されています。
人での発生は2021年で110件、2022年には118件が確認され、過去最多となりました。
動物でも、犬と猫の発症が確認されており、2019年には猫で109件の発生が確認されています。猫の症例は春から初夏にかけて発生が多くなっており、SFTS発症が認められるのは、西日本を中心に確認されています。また、ウイルス遺伝子陽性マダニは全国に分布してる徐状況です。

感染の主な初期症状は発熱や全身倦怠感、消化器症状(食欲低下、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛)です。
血液検査では、白血球や血小板の低下という特徴が見られ、その他にも、腎機能や肝機能の障害や頭痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節の腫れ、咳などの呼吸器症状、紫斑や下血などの出血症状が見られることあります。

SFTSは現在有効な治療法はないため、症状が重症化しないよう対症療法を行い、免疫力がウイルスを駆逐してくれるのを待つしかありません。そのため、マダニに咬まれないようにすることがもっとも重要です。
レジャー、庭仕事など野外での活動の際には皮膚が露出しないよう気を付けることや、散歩のなどに出掛けた後に、目の細かいブラシを使ってブラッシングしてあげるなどで体表にマダニがついていないかチェックしてあげましょう。マダニが食い込んでいる場合には、無理に取ろうとせずご相談ください。
マダニの付着を防止するために、ペット用のダニ駆除剤などで予防をおこなうことも有効です。

不妊(去勢)手術は こちら